2020年はこれ!書店員お薦めの本

2020年も終わろうとしています。
年の瀬に行われたイベントや講座の体験レポートを、2回にわけてお伝えします。まずは、12月頭に新潮社で開催されたイベントです。
カリスマ書店員による本の選評会!
今年で3回目となる年末恒例の人気イベントに参加しました。去年まではla kaguでの開催でしたが、今年は新潮社別館とオンライン配信の同時開催となりました。
「2020年の推し本はコレ! 目利き書店員が本音で語る、愛と辛口にあふれた選評会!」
というタイトルの通り、4人の有名書店員が今年刊行された中から、これぞ!というお薦め本をプレゼンしたり、ベストセラーを選評する、本好きにはたまらないイベントです。
本読みのプロがお薦めする本は?
カリスマ書店員として多くのメディアに登場、「新井賞」という文学賞も運営している新井見枝香さんお薦めの今年の4冊は――
- 『とわの庭』小川糸
- 『ただいま神様当番』青山美智子
- 『まだ温かい鍋を抱いておやすみ』彩瀬まる
- 『49歳、秘湯ひとり旅』松本英子
「読む前に内容を知りたくない」派の新井さんは、お薦め本も「何も知らないで読んで欲しい」そうですが、この作家に出会えてよかった!と思える本ばかりと太鼓判を押していました。
お次は八重洲ブックセンターの内田俊明さん。サラリーマンの利用が多いお店の場所柄、ノンフィクションや実用書も網羅している内田さんの推しは――。
- 『うつくしい羽』上村渉
- 『盤上に君はもういない』綾崎隼
- 『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』タラ・ウェストーバー
- 『未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために』ドミニク・チェン
上村渉さんはデビュー12年にして初めての本。しかも発売前のを出版社から直接取り寄せて当日持ち込むという力の入れよう。
紀伊國屋書店新宿本店の竹田勇生さんは、文芸書の売り場を長く担当していた経験を活かした書評や帯コメントに定評があります。
- 『去年の雪』 江國香織
- 『最高の任務』 乗代雄介
- 『fishy』 金原ひとみ
- 『Lilith』 川野芽生
江國さん、金原さんはしっかりとファンがついている作家さんですが、やっぱりいいなと思ったそうです。
最後はHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE店長の花田菜々子さん。今年もいろんなジャンルの本を紹介してくれました。
- 『わたしの全てのわたしたち』 サラ・クロッサン
- 『百年と一日』 柴崎友香
- 『さよなら、俺たち』 清田隆之
- 『今日の人生2 世界がどんなに変わっても』 益田ミリ
とてもプレゼンがうまい花田さんですが、中でも「嗚咽し続けた」というサラ・クロッサンの本には興味がわきました。
一番読みたくなった本は!?
2020年は、書店が休業したりイベントが中止になるなど異例づくしの年でしたが、最後にこのイベントを開催できたことを喜んでいた書店員さん。「とにかく読んで欲しい!」という熱い気持ちがびしびしと伝わってきました。
最後には、オンラインで視聴していた参加者に「一番読みたい本は?」というアンケートが実施され、花田さんが紹介した『わたしの全てのわたしたち』が1位に。
また、会場では本の販売会が行われ、新井さんお薦めの『49歳、秘湯ひとり旅』と、花田さんお薦めの『今日の人生2 世界がどんなに変わっても』がほぼ完売。コミックが強さを発揮しました。
今年の年末年始はお家で過ごす時間が長くなることと思います。この機会にぜひ、書店員さんのお薦め本にトライしてみてください!