映画鑑賞記

週末は以前ご紹介した映画、2本を鑑賞。
ネタバレにならない程度に感想を。

まずは周防正行監督の「カツベン!」久しぶりに、上映期間中にもう一度映画館に足を運びたい、と思える邦画でした。
活弁をライブで見たことがある人はほんの一握りでしょう。
この映画は活弁の本質を視覚的に見せてくれているので、知らない方にこそ観ていただきたい。
本当に丁寧に丁寧に作られているんです。
映画の中に登場する無声映画は無声映画としてちゃんと撮影されているんですよ。
そして「このシーンはあの無声映画へのオマージュなのか」と閃いたとき、活弁の世界を語りながらこの映画そのものが活動写真なのだと気付くのです。。
うーん。上手い言い回しが思いつかないのですが、観た方にはなんとなく伝わってくれるのではないかしらん。
もちろん、映画の本質である「人間」の描き方もすばらしい。
全てを通しての、丁寧さ、優しさ、爽快感、本当に心地良かった。
この作品、名画座で見たら更に楽しそうなので、いずれギンレイホールで観たいですね。

 

そして、広瀬奈々子監督が装幀家・菊地信義を描いた「つつんで、ひらいて」
まずは、装幀の映画らしく、パンフレットやポスターが素晴らしい。そして、こちらの映画も本当に丁寧な作品。
正直、装幀の仕事がどこからどこまでなのかよくわかっておらず、製本・活版の工場の見学を通して、朧げに線を結んでいる感覚しかなかった。
装幀とは手に取る人の五感に届けるために、紙を選ぶ、文字を選ぶ、色を選ぶところから始まる。
その指先から生まれる本づくりの過程に引き込まれます。
この作品は、装幀のドキュメンタリーなわけですが、本質にあるものはそれだけにあらず、菊地さんの言葉の一つ一つは全ての「ものづくり」に繋るのだとおもうのです。

なんと初日ということで、上映後は監督と菊池さん、お弟子さんの水戸部さんの舞台挨拶がありました。
映画の中の師弟関係が興味深かったのですが、この時のお二人の言葉の対比がまた面白かった。

菊地「文字の意味と印象が透明になる一瞬を見つける」
水戸部「真逆に、意味と印象を情報として排除する」

紙の本がピンチ、という言葉を改めて言われると、心臓がギュッと掴まれる思いになります。
合理的な面から活版印刷も去り、デザインもパソコンになる現在、菊地さんのような仕事のやり方は許されなくなっているのが現状なのでしょう。
それでも、今後も散文や詩などの本を手掛け「こさえる」仕事にこだわり続けるそうです。
上映後に本屋に飛び込んで、触りまくりたくなる作品でしたね。

 

 

今回、立て続けに見た2本。
共通するのが「今の時代を生きる」といることなのかと思います。
今活動している弁士は「かつて」から繋げる今、何が出来るか、何をするかと模索していくことでしょう。
そして、若手の装幀家も「今」の限られた手法の中で、新しいことはできないかを模索していくのでしょう。

 

作品に出会えてよかったです。
どちらも、本当に、心から、オススメしたい作品でした。