江戸切子

「贈答品に江戸切子を探してるんだけど、どこに行ったらいい?」
と母に問われて調べてみると、どうやら墨田・葛飾界隈に多そうだと。
その矢先に、駅で「江戸切子体験をさせてくれる工房」のポスターを見たんですよね。
え、体験とかそんな簡単に?
だって、ガラスを削るとか、危なそうじゃない?
出来るならやったみたいものだけどなぁ。わざわざ遠出(歩けない範囲は遠出)するのもなぁ。
と思ったまま、半年間、すっかり忘れてまして。
先日の大阪旅行の最中、同行者に「銀座でワークショップあるよ」と聞き、すぐさま同じ時間を予約。
この週末、東急プラザ銀座で開催されたそのイベントに行ってきました。

 

【限定3日間】豪華な江戸切子に囲まれて
職人と共にカット体験ワークショップ@銀座!

 

6Fの催事場には藤巻百貨店さんの半被をきたスタッフ、切子デザインのTシャツのスタッフ、ワクワクします。
ちなみに、このTシャツ、「売り物じゃないんですか?」と尋ねたのですが、さすがに江戸切子の協同組合に入っていないと手に入らないらしいです。会場はというと。
ものすごい職人技の作品がズラリと勢揃いしていて、まるで美術館の展示を見ているようです。
とは言え、すべての作品は販売しているわけで、品物に付いた0の桁が違う。

 

 

さて、ワークショップは予約で満員御礼。
お皿は追加料金がありませんが、グラスはそれぞれ追加となります。
クリスタルのロックグラスは+1000円、削ると浮き彫りになる色被せミニグラスは+2000円。
グラスの方が使えるかな、と、色被せミニグラスを選択。た私たちを担当して下さるのは工芸士の中宮涼子さん。
こんなすごい作品仕上げる方です。
観てください、この滑らかな曲線。作業用のグラスにはあらかじめ白マジックでアタリ線を付けてくれています。
基本はグラスの底と側面。
ガラスを削るほどの機械なんて、鋭利で指が飛ぶんじゃないかとドキドキしていたのですが、そんなことはないそうで。
「工業ダイヤモンドが入った研磨機なのですが、怪我はしません。
グラスが割れちゃうということもないので、安心してください。
でも、当たると爪は削れちゃうので、やはり気を付けてくださいね。」
とのこと。

丁寧に持ち方からグラスを動かす速度などを説明してくださるのですが、いかんせん、おっかなびっくりに。
ここはビビらずにやらねばならぬようで、ゆっくりと、ある程度力をかけて削ると深く美しい線が出来るみたい。
底を放射状に削った後は、側面。
うーん。シンプルに長いまっすぐの線を引くって意外と難しい。
出来上がりはそれぞれの太さも長さもマチマチになってしまった。
ワークショップじたいは15分なので、ここで時間切れ。
「あああ、もう少し直したい。」という気持ちもありましたが、仕方ありません。

いやぁ、ものすごく面白いワークショップでした。普段にない緊張感と集中力が心地良い。
「またやりたい!今度はもっと上手にできるはず!」
と、思ったところ、やはりこのイベント、リピーターの方がたくさんいるみたいです。
終わった後も他の方の作業を見ていたのですが、基本線をサラッと終え、側線も「太→細」と涙のような線にしたり、合間に柄を入れたりする技術と余裕を持っていました。
ああ、わかるわ。次は私もそんなことしたい。

 

作業の後も工芸士の方に色々お話を伺いました。
「この複雑な文様を組んでいくにあたり、1本、線を誤れば台無しになってしまう。
つまり一つの作品を作り上げるのに何時間も何日もかけなければいけない。
だから、どうしても金額は高くなってしまうのです。
江戸切子は高くて手が出ないと言われるのはとても悲しいんですけど。」
そうだよなぁ。
自分で作業した後だとこの言葉も納得です。

 

その日の夕方、馴染みの店に顔を出し、無理を言って作ったグラスでお酒を飲ませてもらいました。
唇に切子の削られた部分が当たるのが心地よい。
そう、江戸切子のグラスって、そういうところもセクシーなんですよね。

 

今回は15分という短い時間でのワークショップでしたが、調べてみると色々な工房で時間をかけたワークショップや本格的な教室もやっているようです。
今度、そちらの方にも行ってみたいと思います。