一日乗車券

読書に集中できるのはどういう時?
そんな話題になると、かなり多くの方が「電車に乗っているとき」と言います。
私も学生時代は常に電車で読書でした。
何ででしょうね、人がたくさんいるのに、逆に集中できるのって。
そして、その後に続くのが「職住接近の結果、電車に乗らなくなったので読書が出来なくなった」という台詞。
みんな一緒だなぁ。
かくなる私も同じでして。
読みたい本はどんどん積まれるのに読めない。時間が無くて、ではなく、集中できなくてという方が正しい。
そこで、今回こんな遊びをしてみました。

「時間があるのだから、読みやすい環境に身を置こう!」大作戦。

 

まずは1日乗車券を探しましょう。
調べてみると、色々あるのですね。
選んだのは「都営まるごと切符(1日乗車券)」。
その日1日に限り、都営地下鉄・都電荒川線・日暮里舎人ライナー・都バスに何回でも乗り降りできるという切符です。
選んだ本は稲垣足穂。それも神楽坂に縁のある「横寺日記」を収録したちくま日本文学の文庫

切符は駅の券売機で購入できます。
どうせならすべての路線に乗りたい。
牛込神楽坂駅でチケットを購入、駅員さんに地下鉄路線図をもらいコースを考えます。うーん。だいたいこんな感じか。

 

さて、出発です。
まずは牛込神楽坂から蔵前まで大江戸線。
蔵前からは都営浅草線で三田。しかし、この蔵前の乗り換えはもはや乗り換えではないのでは、というくらい地上を歩く。
でも、こんな面白い店を見つけてしまいました。
今はベーゴマとは言わないのか。

 

三田からは都営三田線で西巣鴨まで。都電荒川線方面の出口から地上へでると、何とも言えない「知ってる」感。
あ、大正大の寺フェスで一度下りた街だわ。
そういえば都電方向に気になっていたお蕎麦屋さんが。昼時だし、そこに入ろう。
このお店が大正解でした。値段から立ち食いそば屋を予想していましたが、天婦羅は揚げたてだし蕎麦は本当に十割で香りが高いし。

 

今度は地上。都電の新庚申塚駅。ちんちん電車ってなんか好きなんですよねー。
高齢者の乗車率が高くて本当に土地に密着しているって感じがのんびりして楽しい。
あらかわ遊園は、、、ああ、いま閉鎖中なのか。下車して本を読みたかったのに残念。

熊野前で下車し、舎人ライナーに乗ります。
実はこれに乗ってみたかったのです。
熊野前から日暮里までライナーに乗り、日暮里からは都営新宿線を目指して浅草で都バスを乗り継ぎます。この時に読んでいたのが「死の館にて」。
ナースたちが「それよりか、かのこよ。南洋堂のジャムトーストだわ。ああ甘納豆が食べたい。白隠元を使ったのがいい。」と話しているところで観音様裏。
私も甘納豆が食べたい。
東部浅草で乗り継ぐ予定が、思わず下車して大沢屋さんで花豆の甘納豆を買ってしまった。ちなみにこの作品、この界隈から大塚の病院へ行く描写から始まります。

 

駅前まで歩いてまたもや都バスで東神田へ。

 

そこから徒歩で馬喰横山、新宿線に乗って新宿。ここで読んでいたのが「横寺日記」。
とりあえずこ日の目標までは読み終わりました。
この作品は足穂が神楽坂住まっていた時のもの。
横寺町キムラヤさんの脇の通り進んだ辺りで、確かにここに稲垣足穂がいたのだ、という実感が沸いてキュンとしてしまいました。

 

さて、新宿から大江戸線で再び牛込神楽坂に戻るの訳ですが、その前に馴染みの店に立ち寄ってビールで打ち上げ。この方法、もっといろいろできそうだな、なんて思いながら。
例えば、短編小説集を1話読み終わるごとに下車してみるとか、行き先を考えずにターミナル駅から都営バスに乗るとか。
次はどんなルールで遊ぼうかしらん。