職人の世界

新潮講座加藤製本ワークショップに行ってきました。
第1回は定員になってしまって参加できなかったので、第2回は募集してすぐに申し込み。
ようやく参加の運びとなりました。

新潮講座は神楽坂駅前教室で開かれています。


受付で新潮オンラインの物販が展開されていたので、「吾輩T」を購入。
最近は早稲田大学の生協でも取り扱っているらしいのですが、ここで買えてよかった。


受付では他にも珍しい製本が展示されていました。


互い違い3冊を組み合わせたものや、表紙に飾りがついた装幀が気になったので、講座終了後にじっくりと拝見したのですが、

 

我々「ん?なんだこれ。しかも表紙にメモ帳付いてるし。」
加藤製本さん「そうなんです。そして、それ、回るんです。」
我々「え?回る?あっ!本当だ!!え、何のため!?」
加藤製本さん「…何か、やってみたかったから。」
我々「はっ?(爆笑)」

 

確かに職人の技術の最高峰って感じです。
さすが製本一流技能士。

 


ワークショップは各テーブルに基本4人分の作業スペースが設けられています。


友人と私は別々に申し込んだので背中合わせ。

本日の講師は加藤製本の飯塚さん、そして、我々の作業をサポートしてくださるのは菊川さんと笠井さん。
よろしくお願いします。

一つ一つの工程は作業をしながら実況ツイートをするという離れ業をしてのけた新潮オンラインの中の人のツイートを是非ご覧ください。

まず、新品の文庫を壊すところから始まります。
カバーを外し、それをぶった切る、、、、ここですでにビビる。


何度も周りの参加者に「こ、ここでいいんですよね?」と確認してしまった。

パカッ。
切る前も切った後もドキドキ。
先が思いやられます。

講義はスライドや動画を使っていてとてもわかり易いです。
けれど、見ながら同時に作業するのはご法度。

最後まで聞かないと失敗します。

見返し用の紙を折って、カバー(帯を入れる人は帯も)に「のりボンド」で貼り付ける。
それにあたって、刷毛の扱い方を動画で教わるのですが、これが後々とても大切になる。


そう、一つ一つの作業がとても大切。

そして、第二の(精神的)難関。
本体から表紙を剥がす、、、、「本当?剥がすの?いいの?」と、やはりビビる。


その話をしたところ「壊すからこそ新しいものが生まれるのだ」と言ったのは、この後友人と行った飲み屋の常連仲間のおじさま。

ここからは創造の世界。楽しい(けれど難しい)作業に。
まず、色とりどりのスピンから好きな色を選ぶ作業が楽しい。


自分で作るので、スピン1本じゃなくてもいいんです。マイブックを選んだ私は元のスピン+もう1本。
この時に使うボンドがメチャクチャ優れものでした。これ、後で買おう。


そして、表紙の色とスピンの色との兼ね合いを考えて、これまた色とりどりの花布(はなぎれ)を選ぶ。


ハードカバーの背中の内側に一筋光る綺麗な柄の部分ですね。

その後、背中の補強用に布を貼り、上を筒状にして潰した「クータ」を貼ります。


このクータ、なんの意味があって筒状なんだろうなぁ。

さて、一度、本体から離れます。
ここからは肝心のハードカバー部分、選んだ表紙の布にボール紙を接着する作業に突入。


ハードカバーって、そういえば溝がありますよね。
その溝って、こうやって作るんですね。


この細い部分は貼り付けずに、後で外すのです。


おお、なんとなく様になってきた。

カバー布を折り返すのも、色々作業にコツがありまして、本当に職人仕事なんだーと実感します。


四つ角が飛び出ないように貼り込む方法とか。
私はこの作業が一番楽しかったかも。

最後に本体とカバーを接着するんですが、ここで、さっきの「クータ」の役割が。
ハードカバーは背が硬くて平らなので、本体が開きやすくするカーブを付けるために必要だったのです。
これ、目からウロコでした。
そして、きっちりと溝を付け、見返しを糊付けし、切り抜いた表紙を貼り付けて完成!

もの凄い達成感。
3時間たったなんて感じられません、とにかく感動!感動!!
作業中は菊川さんと笠井さんが常に助けてくださいます。
私も何度手伝っていただいたことか。

これは本当に楽しいワークショップでした。
そして、なにがすごいって。
自宅の文庫で作れるように、2冊分のキットが持ち帰れるのです。なんと、刷毛とトレーも(笑)。

もちろん、今回の工程の流れを記載したプリントも付いてます。


だって、18工程もあるんですもん。一度じゃ覚えられないです。

出来上がったものはまだ固まっていないので、紙で包んで重しを乗せて寝かせて本当の完成。
で、寝かせて本当に完成したマイブックを、私、嬉しさのあまり翌日噺家の知り合いにプレゼントしてしまいまして。
もう一度文庫を購入して、自分用のマイブックを作ろうと思っています。

アンケートにもありましたが、今後、和綴じや豆本などのワークショップが開催されるようなら嬉しいですね。

本当に充実した休日でした。
人気の講座ですので、すぐに定員になってしまうかもしれませんが、みなさん、次回は是非とも参加してみてください。