近代文学館の内覧会に行ってまいりました

 

 

昨年lagaguで開催された文アルとのコラボ展覧会をご記憶でしょうか?
発見された資料は新潮社での保管のほか、いくつかの文学館に寄贈となりました。
その寄贈先のひとつ、展覧会の準備でお世話になった日本近代文学館で資料の企画展を開催するということで、内覧会に行ってまいりました。
内覧会では企画の見どころなど説明していただいたり、実際に開催前に資料を拝見する事がが出来ます。
その説明が大変興味深かったので、見どころなど、皆さんにもお裾分けを。

 

 

その①
没後十年 小川国夫展 -はじめに言葉/光ありき-

・藤枝市文学館では開催されたことがあるが、首都圏では初となる企画。
・敗戦を18歳という多感な時期に迎え、上の世代ともその下の世代とも異なる核となる。
その運命や不条理、広い意味での暴力に対してのアプローチをしていくことになる。

企画は五本の柱で構成。
1.〈青銅時代〉とアポロンの島
出発期。絵や留学時代の記録などを展示。
また、アポロンの島の草稿ノートからテキストの相違などを見るところがみどころ。
※国夫漫画もユーモアがあって面白かったです。

2.地中海ヨーロッパへの留学や放浪
バイク、Vespaを駆使して現地に滞在。歴史・文化を背景にしてそこに生きる人間の姿を反映。
プロジェクターを使って投影される色鮮やかな写真が見どころ。

3.駿河湾西岸の世界
郷里を中心にしてフォークナー的に書かれたもの。
美しい装幀が見どころ。

4.キリスト教
カトリックの洗礼を受けている小川国夫の作品は、底辺に常にキリスト教の信仰が流れている。
ボロボロになるまで読み込まれた聖書が見どころ。

5.文学者との交流
小田切秀雄により否定的な意味で「内向の世代」と言われた小川国夫の若い作家たちとの交流。
最後に飾ってある小川国夫のスニーカーが印象的。

 

その②
受贈記念展 矢来町のたからもの -佐藤俊夫新潮社元会長旧蔵資料の輝き-

先年発見された資料の展示に合わせ、関連資料を各所蔵品を展開。

夏目漱石
・自筆絵はがき…田口俊一あて(田口からの返信も展示)、漱石自画像はがき(先年発見されたものを含め、現存の2点を展示)
・池辺三山…上文原稿
「倫敦消息」…自筆修正稿(1〜3のうち、1のみ修正したが頓挫。2と3は書き直しに。)

二葉亭四迷
・「其面影」の草稿…全集にも入っていない新発見。原稿用紙がなんであるかも重要で、今後、「茶筅髪」「心」などと一緒にこれから研究がすすめられる。

石川啄木
・高橋兵庫あての書簡など

北原白秋
・「月夜の風」原稿

菊池寛
・佐藤義亮あての書簡
・芥川、久米あてのはがき

島崎藤村
・「ある女の生涯」…原稿。完全原稿はまれに見る発見。
・「子に送る手紙」「熱い汗と冷たい汗」の原稿

有島武郎
・佐藤義亮あて書簡
・「星座」の原稿…合わせて美本の「星座」初版本を展示

佐藤春夫
・「美人」原稿

谷崎純一郎
・「讀蘿銅先生」原稿

太宰治
・「斜陽」原稿…不明となっていた4枚のうちの2枚を発見。残るあと2枚は何処に?

徳富蘆花
・「子の見たる父トルストイ」序文原稿

・その他…諸家書簡

 

この先は、私の個人的な感想です。
・漱石と田口のハガキのやり取りがリアルで、短い文章名だけにLINEの会話のようで面白い。
・啄木の書簡の書跡に惚れ惚れする。
・様々な原稿用紙、それからその原稿の修正のロマン。
・「星座」や「斜陽」など、何年も見つからなかったものが発見されたという奇跡の興奮。

・展示の注釈などをじっくり読んでいただきたい。

今月末発売の「文豪とアルケミスト:文学全集第二期には「其面影」の生原稿を掲載するようですよ!

 

その③
カフェBUNDANと周辺施設

・前から気になっていたカフェ、BUBDANにも行ってみました。

ものすごく素敵。

天井までの本棚、交錯する小説とメニュー、物販。

ワクワクが過ぎて、open-closeで本を読んでいたい。

企画展の間はコラボメニューも登場です。

 

・旧前田侯爵亭。
東門から入ると旧前田侯爵亭の和館があります。


右手に曲がると近代文学館、

左に曲がると洋館があるのですが、こちらが現在工事中。


10/27から一般公開を再開、10/27-11/4までは文化財ウィークとしてガイドさんの説明などもある様子。
外目にもゴージャスなこの洋館、是非とも入ってみたいものです。

 

追伸

企画展は10/13-12/1の開催です。

休館日がありますので、お出かけの際は必ずホームページをチェックしてくださいね!